つむぐ
2018年始まりました。あらためまして、あけましておめでとうございます。
2017年の1年間は日本でじっくりと過ごした。中国工場を守ってくれている社員さんたちがいるからこそである。その前10年は年間150日以上を海外で過ごした。
日本にじっくりと滞在などという日々が訪れることも想像すらできず、ただガムシャラであった。
あらためて周りの支え続けてくれる方々に感謝したい。
年末、定年退職された元社員さんが私を訪問してくれた。退職されて7年くらいになるが、年に数回顔を出してくれる。
社長になりたての頃、危機の中にあった会社を立て直すため、早期退職を依頼した方のお1人である。60歳まであと2年足らずのことであった。さらには、現地採用枠で中国工場へ駐在して欲しいとお願いしに、ご自宅へ図々しくも伺った方でもある。
いろいろな意味であれほど人を傷つけ、自身も心に傷を負った時期はなく、痛く苦い思い出である。
この方とは中国現地で一緒に仕事をし、共に悩み、笑い、酒を酌み交わした。そして、私を支えてもらった。
その方が今回のお話の中で、
「今年は海外に住む娘のところに1人で行ってきましたよ」
「中国の経験がなかったら、私には絶対ムリだったでしょうね」
「トラブルはいくつかあったけど、なんとかなると感じることができた」
「良い経験させてもらって感謝してます!」
私の中に感謝の念が溢れ出すのを感じ、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
事情はどうであれ恨まれても仕方がない事をしたのにも関わらず、経験を感謝すると。
ご家族に手紙を書き、奥様から「社長さんも頑張ってね!」とお返事を頂いたことを思い出し、胸が熱くなった。。
この方とのお話は、思い出話から今後の会社の事などへ移り、心地よい時間を共に過ごした。
新年にあたり、新しく変化させるものと淡々と続けていくものがある。
今年は昨年紡いだ縁や活動を緩やかに繋いでいきたいと思う。そこから芽生えるものは過去に紡いだものであり、それを今また紡いでいく。紡いでいく先には自力だけでは得難いサプライズが訪れるかもしれない。信念をぶらさず、ただ紡いでいくことにしようと思う。
今回元社員さんとの会話を通じて沁みたことである。
<中国昆山市桜園に刻まれた社名>